「人に慣れている」と「家畜化されている」は違う — エキゾチックペットの話

更新日 2026年10月犬・猫・ペット

クッションで眠る家猫と、草原のサーバルと砂地のフェネックを並べたイラスト

SNSでは、人になついたキツネやサーバル、カワウソの動画をよく見かけます。けれど、人に慣れている野生動物と、家畜化された動物はまったくの別物です。

「馴化」と「家畜化」

  • 馴化(じゅんか)・飼いならし:一匹一匹の動物が、育てられ方や経験によって人に慣れること。その性質は子どもには受け継がれず、生まれた子はまた一から慣らす必要があります。
  • 家畜化:人のもとで何世代にもわたって繁殖し、人に慣れやすい性質が遺伝子のレベルで種(集団)に組み込まれていくこと。

つまり、チーターやゾウのように何千年も人と働いてきた動物でも、世代を重ねて選ばれてこなかったなら、それは「慣れている野生動物」なのです。

エキゾチックペットに起こりがちなこと

野生動物は、子どものうちは人に甘えても、大人になると本来の習性が強く出てくることがよくあります。

  • 縄張りを主張するためのにおい付けやマーキング
  • 繁殖期の攻撃性の高まり
  • 夜行性で、夜中に活発に動き回る
  • 狭い空間でのストレスによる問題行動
  • 専門的な食事や温度管理が必要で、診てくれる動物病院も限られる

これは動物が「悪い子」になったのではなく、野生動物としては当たり前の行動です。家畜化された犬や猫は、こうした習性が何千年もかけて人と暮らしやすい方向へ変わってきた動物なのです。

アライグマの教訓

日本では1970年代後半、アニメの影響もあってアライグマがペットとして多く輸入されました。ところが成長すると気性が荒くなり、手に負えなくなった個体が捨てられたり逃げ出したりして、各地で野生化しました。現在では農作物や在来の生き物への被害が深刻で、アライグマは特定外来生物に指定され、新たに飼うことは原則として禁止されています。

法律でも制限がある

日本では、人に危害を加えるおそれのある動物の一部は「特定動物」に指定されていて、2020年からは愛玩目的(ペットとして)飼うことが禁止されています。ほかにも、外来生物法やワシントン条約などで、飼育や輸入が制限されている動物は少なくありません。

迎える前に考えたいことその動物は大人になるとどんな習性を見せるのか。寿命は何年か。診てくれる病院は近くにあるか。法律上の手続きは必要か。かわいさだけで決めず、一生面倒を見られるかを確かめてから迎えたいところです。

参考にした主な資料

  • 環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」特定動物の飼養に関する資料
  • 環境省「特定外来生物 アライグマ」に関する資料
  • Price (1984) Behavioral aspects of animal domestication. The Quarterly Review of Biology